2019年 転換点 2019
生まれ変わったZOTT
大きな転換を強いられることになったシーズンの始まり。こんなタイミングこそZOTTに恩返しをする時と現役続行を決断した渡邊博之。一度は退く決断をしたが、清野潤の強烈な慰留により継続を決意しキャプテンとなった雪島洋樹。そしてこちらも一度は引退を表明したが、清野潤の懇願により『潤さんがそこまで言うなら俺はやりますよ』と快く継続を決意してくれた加藤貴行。そして昨シーズンからは石塚鉄也、藤井一真、大澤雅士、本郷輝が登録を継続。F2クラブから木田篤、イタリアのクラブから三嶽侑平、府中アスレサテから森慶太が移籍加入。下部組織からの昇格で宮原尚大、安岡暁、一瀬弘志郎、木村駿一が加入。清野潤は現役続行を表明していたが、メンバーの入れ替えが大きかったのでしばらくは監督に専念することとなる。
大きな入れ替えが行われただけではなく、シーズン開始直後は大澤雅士がU20日本代表に選出されたことで長期でクラブを離れることになったのと、新エース候補となった藤井一真も骨折により2か月間の離脱が確定。三嶽侑平は海外移籍だったため、開幕戦は登録が間に合わずと本当に苦しい状態だった。リーグの開幕戦の相手は昇格組のバディランツァーレ。試合前に清野潤は雪島洋樹と本郷輝に40分の試合の30分以上は出てもらうことを伝えスタート。雪島洋樹の先制点に石塚鉄也、宮原尚大と続き渡邊博之の好セーブ連発もあり前半は3-0で折り返す。疲れが見え始めた後半は開始直後の失点から立て続けにもう1失点し3-2。雪島洋樹が追加点を決め一時は4-2とするもここから3連続失点し4-5と勝ち越され、そのまま試合終了。昨年度加入し若手の1人としてプレーしていた本郷輝はいきなり中心選手に抜擢されたこともあり、重圧からこの試合中に涙してしまう事態となったが、この試合を機に大車輪の活躍を見せていくことになる。
続くカフリンガ戦は3-3と引き分けたが、迎えた3節は昨年度リーグ王者のリガーレ。この試合からU20日本代表から帰国した大澤雅士が合流し、大きな力となる。試合前に監督の清野潤とコーチの山田秀哉で徹底してリガーレを分析。対策をしたものがことごとく相手の攻撃の芽を摘みまくる。攻撃では雪島洋樹、本郷輝、大澤雅士のゴールもあり4-3で今シーズン初の勝利。これで勢いに乗るかと思われたが、第4節はこのシーズン優勝することとなる町田アスピランチに敗戦。その後は権田に勝利、FIREFOXに引き分け、7節の浦安戦は1-1で迎えた終盤に大澤雅士が冷静にループシュートを決めて勝利。前期の最終となるロンドリーナ戦も0-0のまま拮抗した試合となったが、後半10分に大澤雅士のゴールで先制し2-1で勝利。苦しみながらも前期4勝2敗2分で4位となり関東大会のシード権を得る。試合を重ねるごとに確実に成長していくチームだったので自信をもって後期に臨むことととなった。
後期のスタートは開幕で敗れたバディランツァーレ。前半から得点を重ねて5-1と完勝。続くリガーレ戦も4-1で勝利し4連勝。その後の2節は町田に負け、権田に引き分けと勝ち点を落とすも、切り替えて臨んだFIREFOX戦は9-2と大勝。浦安戦は本郷輝のゴールで先制し一時は追いつかれるが、残り1分切ったところで藤井一真のシュートパスを雪島洋樹がヘディングで劇的にゴールし、2-1で勝利。茨城で行われたカフリンガ戦も4-3で勝利しこの時点でリーグ2位を確定させ、クラブ史上5度目となる地域CLの出場権を得る。
関東リーグ最終節 ~清野潤、現役引退~
最終戦のロンドリーナ戦で監督に専念していた清野潤が選手復帰。と同時に今シーズン限りでの引退を表明。清野潤の今シーズン初出場ながら関東リーグの引退試合となった駒沢での試合は今シーズン最多の観客を集め6-2で勝利。4連勝を飾り10勝3敗3分の勝ち点33、準優勝でリーグを締めくくる。(No.16 清野 潤選手 現役引退のお知らせ)
準優勝ながら得点王に雪島洋樹、リーグベスト5に渡邊博之、雪島洋樹、大澤雅士が選出された。最終戦後の祝勝会兼忘年会では開幕戦の試合中に泣いた本郷輝が清野潤が選ぶチーム内MVPに選出され、みんなの前で話しをするとここでも大号泣。本郷輝の涙に始まり本郷輝の涙に終わった1年だった。
開幕時の下馬評を覆した地域CL第3位
年明けとともに地域CLに向けたトレーニングを開始。このタイミングで清野潤に続きクラブ創設メンバーである渡邊博之も今シーズン限りの引退を表明。(No.1 渡邉 博之選手 引退のお知らせ)
迎えた岐阜開催の地域CLの1次ラウンドはジャグランカ(関西代表)に5-3、MICALO仙台(東北代表)6-0、NASPA四日市(東海代表)に3-1で勝利し、3連勝で準決勝に進出。
舞台を名古屋のオーシャンアリーナに移し、準決勝の相手は地域CL連覇中のオーシャンズサテライト。開始早々2点を奪われるも大澤の豪快FKで1-2とすると、清野チルドレンセット(清野潤が小学5年から育てた選手、宮原尚大、安岡暁、一瀬弘志郎)でキックインから安岡暁が得意のセグンドでゴールし2-2。前半に1点を勝ち越され2-3で折り返す。
後半開始早々に1stセットが躍動し藤井一真が豪快に突き刺し3-3とすると、2ndセットも続き森慶太のアシストから三嶽侑平が決めて4-3とついに逆転。会場のボルテージも最高潮となったが、ミスから失点すると、さらに勝ち越しゴールを決められ4-5とされ、終盤押しに押しまくるも決め切ることができず4-5で敗戦、5度目の地域CL挑戦はまたしても準決勝で敗れ、3度目の3位となった。
前述の清野潤、渡邊博之に加えて加藤貴行もこの試合を最後に現役を退くことになり、奇しくも2018-2019シーズンの終わりと同じ舞台のオーシャンアリーナで最後を迎えることになった。最後のロッカールームは全員が涙することになったが、メンバーも大幅に変わった中で雪島洋樹、本郷輝、藤井一真、大澤雅士が台頭し、他クラブから新しく加入した選手と下部組織から昇格した選手が融合。シーズン開始前はどのクラブからもZOTTが降格候補とみられていた中で、苦しみながら試合をするごとに成長していき、最終的に地域CL3位まで来たことは優勝できなかった悔しさと共に充実感の涙となった。
FC NAKAIと合同チームとしてマレーシアへ
地域CLから1週間後に清野潤、渡邊博之、加藤貴行、雪島洋樹、本郷輝、藤井一真、宮原尚大は今シーズンのフットサル界の話題を総なめにしたYouTube企画『目指せ!Fの頂』の番外編にFC NAKAIと合同チームで参加することになり、マレーシアへ向かう。タイのチャンピオンのチョンブリブルーウェーブに敗れるも、3位決定戦でマレーシア代表を多く要するパハンレンジャーズに勝利し帰国。長いシーズンを終えることとなる。
大澤雅士、アジア大会MVPに選出
順番は前後するがクラブの育成アドバイザーの鈴木隆二さんが監督を務めるU20日本代表に最年少で選出され、アジア大会を戦った大澤雅士は日本初のアジアチャンピオンに大きく貢献。大会MVPにも選出される。小学3年からZOTTでフットサルを始め、留まることなく成長し続け高校1年時にTOPチーム昇格を果たし、高校3年時にU20日本代表に選ばれた大澤雅士はZOTTの育成能力の高さを世に強烈に示してくれることになった。